この墨坪は40年以上前に入手したコレクションです
元々墨坪と言うのは大工道具の要で家を建てるには必須の道具です
多くの職人は腕試しに地方を転々と仕事をしたそうです
その仕事を請け負うときに自作の墨坪を元請けの親方に見初められて
仕事をしたそうです、腕の良い職人は良い墨坪を作れたそうです
近代になると墨坪も専門の職人が作るようになり名工と言われる方も出ました
坪辰もその一人です2006年カレンダー「越後群像」6月で紹介された坪辰さんの銘木鶴亀
坪辰の彫刻は気品高くバランスの良い彫り物で好感が持てます
その中でも今回オークションに出品した豆墨坪の作品は希少価値の高い一品です
当時僕が勤めていた工具店の方のコレクションのひとつでどうしても欲しくなって
毎日交渉してやっと手にいれた覚えがあります、嬉しくて僕の仲の良かった指物師に
早速化粧箱を作ってもらいました、長い間倉庫に眠っていた作品です、色は黒ずんでいましたが
傷や欠けもなく当時のそのままでした、欅の材の赤み(木材の芯の部分)を使った素晴らしい仕上がりです
クリーニングをしようと思いましたが、欲しい方に蔵出しそのままで譲り渡したいと思いオリジナルを優先しました
クリーニングすればツヤや木地の木目などもきれいに復元出来ますが、オーナーの判断にまかせる事にしました
どうしてお譲りするのかと言うことですが、この作品はもっと日の当たる
所に出してあげたいという思いも込めて出品しました。
オークションは完了しました 落札ありがとうございました。
6枚新写真を追加しました
上3枚は見事なミニサイズの作品です